みんなのうた
『みんなのうた』(重松清)
タイトルからどういった展開になっていくのか予想できていなかった分、
ラストで、ああそういうことだったのかとわかり
しっくりときて、とても楽しめた。
受験生とその家族や周りの人たちの心情を丁寧に表している一方で、
レイコさんたちの後を読者たちに託し、
読者それぞれのなかで物語の登場人物たちが生きていく。
自分が高3、自宅浪人のときも
もう後がない先がないような
これですべてが決まってしまう怖さがあった。
家族にも申し訳ないと思いながらも、
どうしようもコントロールできないこともあり
そのときにはわからない、今ではわかることも多々あった。
受かったあとも
祖母に「しっかり勉強しなさい」といった言われたことは
今でも大事に記憶している。
節目節目に影響を受け話を聞いてきた祖母から
「アメリカにはいかない方がいい」と唯一反対された言葉は
今でもずっとひっかかっており、
その分、覚悟して今のラボでの研究に取り組んでいかないといけないと
ずっと思っている。