調律

先月一時帰国した時に母に勧められた

『羊と鋼の森』(宮下奈都)

を読み終える。

自転車もピアノに似ているところがあるかな、とふと思った。

 

僕には才能がない。そう言ってしまうのでは、いっそ楽だった。でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。少なくとも、今の段階で必要なのは、才能じゃない。そう思うことで自分を励ましてきた。才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。もしも、いつか、どうしても置き換えられないものがあると気づいたら、そのときにあきらめればいいではないか。怖いけれど。自分の才能のなさを認めるのは、きっととても怖いけれど。

 

「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れなれない執念とか、闘志とか、そういうものと似ている何か。俺はそう思うことにしているよ」

柳さんが静かに言った。

のど自慢に、笑点

 

以前、嫁さんと1、2を観ていたので

今回の機内では最初に

『Pich Perfect 3』を迷わず選ぶ。

食事中に観ていたのだが、

オモロイし、出演者がダンスも歌もやっぱりうまくて、すごい。唸る。

何回観ても楽しめるので、

帰って少ししたら嫁さんと一緒に観よう。

『You Don't Mess with the Zohan』の次に

夫婦で笑いのツボにはまる映画である。

 

『Zohan』はついついRite AidでDVD買ってしまった。。

 

今回の機内後半では、『のど自慢THEワールド』を観る。

みんな、歌、うまいなぁ〜

良い曲、懐かしい曲ばかりでよかった。

 

 

子供の頃は、

毎週日曜日は、

お昼時に『のど自慢』

夕方、部活から帰ってくると夕食まで

『笑点』『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』が定番だった。

スタンフォードの時も、よくテレビジャパンで『笑点』を観ていた。

ニューヨークに来てからは、日本のテレビとはご無沙汰だ。

その一方で、一時帰国の間に父と一緒に観ることも増えた。

火曜日の鶴瓶さんの『家族に乾杯』などもよく楽しみにしていたな。

 

帰りの便では、林家こん平師匠の『チャーザー村』を今から楽しみにしている。

 

Tomato juice without ice

昨日のBostonからDullesへの飛行機で隣の人が、

"Tomato Juice, no ice, please"

と言ったので

自分も、

"Tomato Juice without ice,,, No ice, please"と伝えたら

180cmくらいあるCAさんはそれまでクールな感じだったのに

めっちゃ笑顔で、"Alright, wait little bit"と言ってくれて

2回も戻ってきて"I will make it for you at the back. it's coming soon"というから

『ああ、tomato juiceは後ろにスットクがあるのか』と

のんびり待つこと5分ほどくらい、、、

再度、同じ笑顔で戻ってきてくれて、"Enjoy!"

 

飲んだら、辛いー!

 

『あれあれ、俺の舌、寝不足でオカシくなったか?』

『このトマトジュースが傷んでて、舌が痺れているのか?』と思いつつも

ラップトップで仕事中なのでで置くところがなく飲み干す。。。

舌・口のなかはヒリヒリ。。

 

んー、これはどういうことかとボケーっと考えていると

ああ、自分の発音が悪くて

"Tomato juice with spice"

と伝わったのかとやっと気づく。。。

降りるときも、そのCAさんは笑いかけてくれていた。

『あのJapaneseは結構、通だ』とでも思ってくれていたのだろうか。

それともよくある間違い?

これからは、"Tomato juice, NO ice"をお勧めします。

 

4月に『ないものねだり』(中谷美紀)を読んでいたら、

『疾走』(重松清)のくだりがでてきたので

4月の一時帰国の際に、上下巻を購入。

読んでビックリ、いつも以上に通勤の間没頭するのだが、

こんなに読後感が重い、重松作品はこれまでなかった。

朝からしんどい。

こんなヘビーなものを書いているとは思わなんだ。

もうやめようと思っていた、

『少年A』や『加害者家族』のような内容だったので驚いた一方、

この『疾走』にはフィクションとも思えない

実際起きたことのような、儚い夢のような、事件に巻き込まれたような

不思議な世界が頭に残った。

手越くんで映画化されているが、

観る勇気が出るまで当分かかるだろう。

 

空より高く

『空より高く』(重松清)

 

電車のなかで

ふふふと笑い

涙がでかけ、

うんうん、あるあると納得する。

重松作品ではベスト!と言える好きになるものだった。

フジモトさん・ピエロさんに、ジン先生、

そして、ドカ、ヤノジやムクちゃん、ピース軒。

自分にもこれまでそんな存在があったな、と思い返せる。

重松作品の大きな特徴は、

登場人物が作品後もずっと自分の中で息をしていて

たまにちょろちょろと顔を出すところだと思う。

「重松清さん、あなた天才ですよ!」と本人に言えれば、

『いやいやそんなことないよ』と言いながら

(そうかな、やっぱりって)照れているのが思い浮かばれる。

こういった作品たちは、

当の高校生や小・中学生、大学生たちにはピンと来ないのだろうし、

自分自身も30代最後この1、2年で重松作品の素晴らしさ・面白さに気がづいた。

今回は、本棚を見てみると、重松作品の15冊目のようだ。

全部彼の作品を読めるのだろうか?

 

2月もそろそろ終わりか。。

2月1日に日本から戻ってきて、

イオンで節分の豆まきセットを買ってきたのだが、

成と凛奈に思いっきり豆を投げつけられかなり痛くて後悔する。

あいつら、本気だった(日頃の恨みの仕返しか何かか?)

その後、数日間、鬼のお面を気に入った凛奈が繰り返し現れ怖い思いをする。

度々身の引き締まる思いになったのは、節分のお陰であった。

 

リビングルームで室内練習をするため

2m x 2mの野球用のネットを成にプレゼント。

日本ではあまり使わないheavy ballでの

投げ込みとトスバッティングの効果もあってか

この数週間で肩や胸周りに厚みがでてきたようで、

春からのチーム参加が楽しみになってきた。

何かに打ち込むという経験があれば、

これから先、成も成長していくことだろう。

凛奈はgymnasticsのようである。

賢は何をするんだろうか。

 

 

『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(高橋安幸)

 

かなり面白く勉強になった。

こんな人が存在するとは驚きとしか言えない。

野球ファンであれば、根本「監督」の名は知っていても

彼の人となりは自分たちの世代ではあまりわからない。

彼の名前は、森『参謀』・落合『采配』で出てきていたこともあって

ずっと気になっていて

本屋でみつけたときには即買いであった。

 

 

『蜷川実花になるまで』(蜷川実花)

 

本文自体は10年以上前のものだが、

今でも響くものばかりで、

クリエイターとしてどう考え、作品をどう作っていくかが

よく伝わってくる名著で、

読みやすさからもとてもオススメ。

あと1年後くらいにもう一回読むと思う。

自分の研究にもいくつもヒントを与えてもらった。

 

 

『プロ野球のお金と契約』(大家友和)

 

野球ファンには必読であり、

米国に居つくつもりの人には学びの多い新書。

「リアル」というタイトルがもっともふさわしい本である一方、

大家という投手を再評価するよいきっかけになって欲しい。

 

 

 

皆既月食

今でちょうど半分くらい月食。

両国のホテルの部屋(23階)の電気を消して

椅子に座って様子を見上げる。

こういった帰国の機会だったからこそ見られたと思うと

なかなか感慨深い。

すぐ横には東京スカイツリー。

 

読書中なのは、

『天才』(石原慎太郎)

『エキストラ・イニング 僕の野球論』(松井秀喜)

 

そのあとは、

三島由紀夫、夏目漱石などを読み返そうか。

 

この2週間の一時帰国では

とても寒かった松本以外(氷点下13度)、

毎朝30−40分走ることができて

体調管理や勉強もうまくリズムが作れた一方、

これから当分はラボに腰を据えて実験に集中する毎日を送りたいな。

 

自己啓発本のまとめ 『ラストレター』『ヨチヨチ父 とまどう日々』

ーこの数週間のまとめー

 

自己啓発本をかなりの数を読んできて、やっとわかったことは、

表現する言葉は違うにせよ、

共通されている要素があり、どの職種でも役にたつということで

もうこれ以上読んでも新しく得られないなと。

 

嫁さんに「あんたが買う本はつまらん!手に取る気にならない!」と言われて

かれこれ5年、やっと自己啓発本の購入の終焉である。

今回の帰国中に本屋に寄っても、

もうこういった自己啓発や新書コーナーに寄らなくなってしまった。

 

これまで自己啓発本として繰り返し読んできたのは、

下記の将棋、スポーツ、ビジネス分野で

 

羽生善治、谷川浩司、米長邦雄、落合博満、森繁和、野村克也、岡田彰布、金本知憲、黒田博樹、長谷部誠、

青木功、三木谷浩史、藤田晋、見城徹

 

これからは何かのときにまた読み直してみようか。

 

今回の帰国中で神戸三宮のアパホテルに泊まったときには、

部屋に置いてあった

『強運 ピンチをチャンスに変える実践法』(元谷芙美子)を読む。

明石家かますと大学・大学院の話は特にとても素敵だった。

 

これまで自己啓発本が本棚から手に取り易かった理由は、

百田尚樹『大方言』で指摘のある通り、ズバリ、

栄養剤のように、

読むと、

元気になる(気がする)

自分もできている(気がする)

いや、自分ももっとできる(ような気がする)

のである。

読んで疲れない・元気になりやすいからだったのだろう。

 

数々のヒントをもらいつつ

実際の自分の研究などに如何に落とし込むのか

効き目が落ちないように、具体的な整理・対応ができたことで、

習慣化できるようになったと思う。

 

 

この数日は、移動の合間に、

『君の脾臓を食べたい』(住野よる)

『ラストレター』(さだまさし)

『ヨチヨチ父 とまどう日々』(ヨシタケシンスケ)

『錦繍』(宮本輝)

『英語の品格』(Rochelle Kopp 大野和基)

『永遠のゼロ』(百田尚樹)

 

 

『永遠のゼロ』(百田尚樹)

『君の脾臓を食べたい』(住野よる)

を読んで、

これから小説を買う、映画を観る場合は、

「登場人物が死なない、殺されない」をルールにしてみようかと思う。

誰かが亡くなれば、悲しいし、辛く・泣きたくなるものだろう。

機内での映画『三度目の殺人』を観たあとにそう決めようと。

もうやめよう。

 

これまでの、

『「少年A」この子を生んで......』(少年A父母)

『息子が人を殺しました 加害者家族の真実』(阿部恭子)

の流れはここで終わりにしようと決める。

自分自身が被告になる可能性はかなり少ないにしろ、

突然自分や、家族や子供が被害者としてや被告として

事故・事件もしくは天災に巻き込まれるといった

全く想定していないことも人生に起こるかもしれない。

最悪の最悪を考えて、一度はこういったものを読まなくては、

と思っていたが、

何せ読後の気が重い。

最悪の事態・可能性も考えなくてはいけないのだろうが、

想像以上にその後の胆力が必要で

読み方を間違えると飲み込まれる難しさのある

映画・書籍であった。

 

『ラストレター』(さだまさし)

「この、オxxxヤローっ」て叫ぶ、大越さんって

あの、憎っくき「。。。」と一緒ではないか!

繊細で気が優しいくせに、強がり・卑猥な単語を連呼するところなど全く一緒である。

それだけに、大越さんには身近に感じる愛着もあって最後まで楽しく読めた。

 

『ヨチヨチ父 とまどう日々』(ヨシタケシンスケ)

は、電車のなかで、

「そうそう」と納得して、ついつい笑ってしまうのだが、

NYに戻って、嫁さんや妹に読んでもらったら

「まぁ、そうそう。だから、ダンナ・お兄ちゃん、使えない!」とか言われて、

間違いなく、とばっちりを食うことだろう。

見せるべきか、どうしようか、迷う。

間違いなく名著(世の中のお父さんにとっては、迷著)

『なつみはなんにでもなれる』の次に好きな作品。

 

『錦繍』(宮本輝)

を先ほど読み終える。

今回の帰国の最中に宮本輝を手にとったのは、

「宮本輝が好きだ」と言っていた先輩の言葉を

ふっと思い出したからである。

以前に比べて、書店内でスペースが少なくなっているのには気づいていたが、

岡山駅で時間調節をしているときに駅内の本屋さんに

『錦繍』だけが置いてあった。

昭和57年の作品。解説は黒井千次。

 

『英語の品格』(Rochelle Kopp 大野和基)

ある程度のレベルまで英語が到達している、

米国社会に溶け込み始めている人向けであり、

内容の半分は、自分でも実経験から使うようにしている表現だったのだが、

それが定着できるようになったのも

ラボをスタートして最初に入ってくれたDanくんが

丁寧な英語をいつも使っていてくれたおかげである。

彼の英語を真似ようとしていたうちに身についていた表現が

本書にはいくつも記載されており、Danくんには改めて感謝である。